2007 レ・ミゼラブル 博多座SP公演報告 3
>「違う」と思ったのは、√命を大事に~の方でした
について。
これは、6月の帝劇SPの感想にも書いたのだけど
帝劇では、最初の「い」が、いつも、つまった感じの発語で
常は、言葉(歌詞)を綺麗に届けてくれる幸二郎さんにしては
珍しいな~、何か、ここの感情の乗せ方に意図があるのかな?
或いは、無意識にそうなってしまうのかな?と
結構、毎回、気になっていたところ。
でも、博多座では、「いのち」とクリアに発音されていた。
この√命を大事に、と
√死のう僕らは~の相反が、そこに至るまでのアンジョルラスの
心の変遷が、よく分からない時もあった。(自分の理解力のせいで)
ホント「若気の至り」(?)と感じるときもあったけれど、
命を大事に~というのは、あくまでも他者に対する想いで、
アンジョルラス自身は、元々いざとなったら、
自分の命を賭す覚悟は、早い段階からあったのかもしれない。
自分が大人側であるせいか
「大人」たちの気持ちも、分かる。
ジャベールが「子供の遊び」と吐く意味も
最後の警告「やめろ!死ぬ気か」も。
この、「やめろ!死ぬ気か」を聞く都度、かなり切なくなる。
誰も学生たちを、若い命を、
積極的に撃ちたいとは思わなかったのだろうな・・・と。
大人たちもまた、「さあ、家へ帰りなさい」と
彼らの肩をポンポンと叩いて、投降させることが出来たなら
どんなに救われたことか。
それでも、学生たちは、自分たちの理想を、思想を
具現化出来ると信じて、命を散らしていったのでしょう。
アンジョルラス自身が死に向かうことについては、
勝手にいろいろな想いが交錯するのだけど、
エポニーヌやガブローシュ、(死んだと思った)マリウスへの贖罪
ここまで学生たちを引っ張り込んでしまったことへの責任
もしかしたら、もう生きては実現することの出来ない革命への
フィナーレ・・・彼らの命は、何かの礎になることが出来たのかな~と
いつも考える。
ヨーロッパのどこかの都市で、ある時、誰かが
完成までに数百年かかった教会の前で、尖塔を見上げながら
この教会の基底部分を作った人たちはこの塔を
―高く天まで聳え立つ―見ることがなかった・・・と呟いた。
今、私たちが目撃し感嘆の声を上げるほど美しい建造物は
そういった名もなき人々の汗と労力の積み重ね。
そして信仰の?
レミのバリケードの崩落から、ふっと、そんなことも思い出す。
◆鹿賀ジャベール
そう、帝劇より、断然、声が伸びていました~!!
そして、前回書きかけでしたが、下水道で
自殺に至る過程を、表情がよく見える席で
はっきりと目撃することが出来た。
バルジャンに「行け」と譲るあたりまで、鹿賀ジャベは自分を保っている。
他ジャベのアプローチを明確に記憶していないのだけど、
少なくても岡ジャベは、すでに、バルジャンと対峙することが出来ず
自分の背後に、バルジャンを通過させる。
鹿賀ジャベは、はっきりとバルジャンを見据え、
自分の前面を通過させる。あくまでも、自分の主導、
まだ、自分の手の内にバルジャンがあるという造形。
でも、バルジャンの通過後―
バルジャンが目の前にいるときよりバルジャンが去ってから―
崩れ始め、ここは、岡ジャベばかり見ていた私には興味深いところでした。
岡ジャベは、バルジャンと対峙する都度揺らぎが見えたから。
鹿賀ジャベは、この場で初めて、一気に
~それまでにも葛藤はあったのかもしれないけれど~
自身の内面を吐露し、爆発させ、そして始末をつける。
岡ジャベの時には、可哀相に・・・と思ってしまうこともあるのだけれど
鹿賀ジャベールの、今回のこの博多座での造形を観て、
ああ、本当に、こういう帰結しかないのだな・・・と思った。
最期まで厳しく、自分で自身に審判を下す。
何か、非常に凄みのあるジャベールでした。
◆岩崎ファンティーヌ
帝劇で聴いた時より、声質が私の好きな方向に変わっていて
(特に「夢破れて」、クリアな発声より、少しハスキーさが加わる方が
好みなのです。なので、シルビアのファンテも凄く好き。)
良かった~!!病室とか、エピローグとか、ムチャクチャ泣けた(/_;)
◆真綾エポニーヌ
ラスト連続登板お疲れ様でした~!!
でも、そんな事を感じさせない、素晴らしい演技でした。
帝劇では、個人的には、聖子ちゃんの印象が強かった私ですが、
博多で、とっくりと真綾ちゃんのエポを観て、
オン・マイ・オウンの間の取り方とか、表現が練られて来たな~とか、
エポのちょっとやさぐれてちょっと可愛い感じ、とか、魅力アップ!!
◆斉藤晴彦:ティナルディエ
すみませ~ん。帝劇SPでは、音程は?とか
声が届かないんですけど…とか、思ってしまった私ですが、
博多座では、かなり改善されてました(←これはこれで失礼な言い方?^_^;)
ブリュメ街の襲撃で実は、一番、エポに厳しく当たっているというのも
目撃(下手で二発平手打ち)。ここは、前期、駒田さんがやっていた
ドンドンと足踏みも、オケの音と合ってて面白いな~と思っていたところだけど
ここで、エポぶんなぐっているのって、今期は斉藤さんだけですよね?
◆田中利花:テナルディエの妻
私は、利花さんや阿知波さんのテナ妻が好き。
過分なことはしないけれど、充分な芝居。
田中さんもご当地でのSPおめでとうございました~!
◆育三郎マリウス
帝劇で目撃した時には、お~もしかして、岡田マリウスの後継者?
と、個人的には、インパクト大なマリウスだったのだけど、
前日の「禅ちゃんマリウス」が強烈過ぎて・・・
でも、資質としては、すごく「愛されキャラ」内包していると思います!
(すみません、具体的な舞台の印象が欠如←自分の記憶力のせい)
◆禅ちゃんマリウス
カテコの挨拶で、マリウスという役は「皆から愛される」との発言を
されていたけど、それが、十二分に腑に落ちた!!
初めてレ・ミを観てからしばらくは、
本当に、マリウスがよく理解出来なかった。
このシリアスな状況下、なんで一人浮れてるの?
とか、そこまでエポの気持ち分からんか!!とか
もの凄い、他人の気持ちに鈍感で、あげくカフェソングで
いきなり慟哭されてもなぁ~~とか、思っていたのでした。
でも、最初は岡田マリウスに、そして、
更に愛されキャラ全開の“禅ちゃんマリウス”と出会って、
皆が死の向こう側へと旅立っていく物語の中で
愛を命を紡いでいく存在であることの必然が、理屈ではなく
感情で理解出来た。
しかし、岡アンジョ、相当禅ちゃん好きですよね~(笑)
分かるけど~♪
禅マリウスで、何故か最も、他のマリウスと違うな~と
印象に残っているのは
√その髪好きだわ~
√なんだよふざけて~
のとこ。
他マリウスは、からかうなよ~って感じで
ちょっとむっとしたり、
或いは、軽くいなすって形だけど、
禅マリウスは、ここで凄く微笑んでいる。
うわ~その笑顔が余計、ハートブレイキングですから
勘弁して下さい!!って感じ。
あと、帝劇ではどうだったか記憶にないのだけど
エポの亡骸を見送る場面で、アンジョルラスに抱きついたところ。
これは、岡アンジョだから?他のアンジョの時にもしていたのかしら。
こいういう、もの凄い見せ場、というワケではないところの
細かいリアクションに、萌えてしまう、禅ちゃんマリウスなのでした。
あんまり、他の学生を見てない私に
(ゴメンなさい。まだ、なかなか全体を眺める余裕がなくて・・・)
ジョリがいい芝居してるから見てね~と、メールが来て、
楽に、しっかり目に飛び込んできたのが
恵みの雨でバリケードに残るエポの血を確認して、
彼女の怪我に気が付かないのを後悔して泣いている
(それをフイイが慰める)という場面。
それが、もともとの定形の芝居だったのか、
回を重ねていくうちに練られていったものなのかは不明だけど
きっと、私の気づいていないところで
沢山のこういった細かい心理描写が表出されているのでしょうね。
そうそう、忘れてはいけない、港司教!
√闇からあなたを~以降の歌い方に、なにか迫力が加わっていました。
帝劇当初頃は、優しさと深い滋味、といった感じでしたが。
―まだ続く―給仕にも言及しなくては!?
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コメント
おはようございます。この9月からレミを見始めました私には驚くばかりです。こんなにしっかり見れる余裕もまだなく・・・とても参考になります。本当にyayaさん・・感動します。
投稿 Y | 2007年11月 9日 (金) 08時19分
>Yさん
私も、好きな役者さんを追うのが精一杯で
まだまだ、レミの舞台の中にある宝物、
いっぱい見逃していると思うのですよ…
また、来期のレミを待ちつつ!!
投稿 yaya | 2007年11月10日 (土) 00時46分