日生劇場レ・ミゼラブル千秋楽!!(3)
4月25日(火) マチネ
ジャン・バルジャン:別所哲也
ジャベール:岡幸二郎
エポニーヌ :新妻聖子
ファンテーヌ:マルシア
コゼット:剱持たまき
マリウス:岡田浩暉
テナルディエ:駒田一
テナルディエの妻:森公美子
アンジョルラス:東山義久
下手からベッドへ向かう別バルは、
その歩みを見せるだけで、「時間がない」ことを体現している。
この切羽詰った感、みたいなものは、
いつも、別バルの中にある。(だから、祈りも深い。)
ファンティーヌを支えたいけれど、
自分が原罪となってしまったという意識と
他者との直截的な関わりが少なかった(であろう)
彼の無骨さが相まって、彼女をどう扱うのか分からない。
躊躇する間もなく時は迫ってくるのに…
彼が彼女を抱く瞬間と、彼女が息絶える間が
ひとつになる時がとても悲しいけれど、
ファンティーヌは、命の最期の一瞬を、
絶望の中ではなく、安堵と暖かさに包まれていたと思う。
ジャベールとの対決は、他のバルジャンだと、
絶対的な自分の強さを知っていて
かなり優位に立っている(心理的にも)感がするのだけれど
別所バルジャンは可能ならば腕力(暴力)は使いたくない、
言い聞かせて止(とど)められるものならそうしたい、ように見える。
その別バルの深層心理?に
一番、呼応しているのが岡ジャベール。
いつも、凄く計っている感じ。力そのものでは勝てないから
バルジャンの心の隙を狙っているような印象。
今ジャベは、ひたすらがむしゃらに、力ずくで臨む感じ。
綜馬ジャベは、あくまでも揺らがない冷徹さと緻密さで。
また、体躯のバランスが別バル×岡ジャベは良いので
視覚的にも、映えますね。
他のキャストも全然小さくないのだが、
別所さんに対しては、岡ジャベスタンダードになっているので
綜馬さんや今さんが小さく見え、ちっちゃ~いとか言っては
その時々の同行者に怒られ…(すまん)
(だって戦わなくても絶対べっしーの勝ち!!とか思ってしまうし。
あ、単にデカイもんの勝ち、↑↑という短絡思考。)
逆に、岡ジャベール×カズジャン、今井さんのときに
ジャベールの方が上背あって勝てそう~と、二人が小さく見えてしまって
(ってカズジャンも180以上、今井さんだって178と十分な長身なのに)
いや、全然みんな「小さく」はないですから、と周囲から訂正される私でした。
あ~ちなみに、山口×岡も、大きさ加減はちょうど良いけど
幸二郎さんは、山口さんと一緒だと、何か“楽しそう”
に見えてしまうんですよね~。
実際、山口(大)先輩のこと、(大)好きみたいですし。
芝居にワクワク感が見えて対決感が薄まる。
(今期日生ではこの組み合わせ未見ですが、中日や梅芸では観ました。
かなり個人的主観入りすぎな感覚かしら?)
椅子の脚を持って構える別バルの腕は、どのバルジャンよりも
高い位置にあり(少なくとも、週末の3バルジャン連続観劇の中では)
綺麗な角度を保ってました。
岡ジャベールも非力そうだけど、所作は綺麗なのでホント絵になる。
お互いのパートを邪魔せずよく引き立てて歌っているし
(たぶん、幸二郎さんは別バルが、ある意味一番気を使うバルジャン?)
「ジャベール!!」と唱和するところも、ちゃんとそれぞれの声が立っている。
(このあたりのパートは楽より、調和・安定さという点では
他日の方が良い日もあったけれど)
ここの歌詞は、この二人の組み合わせが、
私にとって、ハッキリ聞き取れた最初でした。
幼いコゼットに対しても、ジェントルマンな仕草で対峙する別バル。
手の仕草が素敵。
この場のベージュのコート姿の時は、しゃがんだり、座ったり、立ったり、
くるくる回ったり、担いだり(笑)、かなり動きのある場面が多いので、
都度、そのコートの扱いと、翻りに萌えます。
(23日には、コートの襟が半分内側に丸まって入ってしまっていて
―宿屋で乱れに気づいた。←私とテナルディエ夫人が(笑)。本人気づかず。
どさくさにまぎれて直してあげようとしてた、ティナルディエ夫人GJ!)
ベージュのコートは、日本人には実は難しい色。
金髪・紺碧・長身のコーケイジョンにはピッタリなのだけど。
(日本人が紺が似合うのと一緒)
でも、どっから見ても、フツーに(白人の)ヨーロッパ人に見える別バル、
似合いすぎ。
この取引、別バルは、ティナルディエ夫妻に、
だんだんと、ムカついていくのですよね。
他バルは結構最初から威圧的な態度。
二人を歯牙にもかけない感じ。
なので、私も、だんだんと、
べっしーと一緒にムカムカしてしまうのです。
特に、駒田さん、ムカつきますね。
コゼット逆さにしてんじゃねーよ!!くらいな気分です(笑)
しかし、そんなムカつきながらも
フラン紙幣?小切手?にちゃんと重しをする別バル。
私は、これ、フツーのことだと思っていたので
(長年、海外で金勘定する仕事してましたが、
レジ勘定することって、ほとんど無かったし
カジュアルな店では、グラスとか灰皿の下に置いたり
フツーの店ではbillを挟んできたカバーに突っ込んでいた。
あと、支払いが済んだ後、ちょっとチップ残すときなど
よく、テーブルまわりの小物で紙幣飛ばないように重しした~)
あまりにも自然なことなので、見逃していたけれど
別バル萌えなコたちが、他バルはやってない!
べっしーオリジナル!!と言っているのを聞いて、
何故、別バルがナチュラルに外人に見えてしまうのかが
分かったような気がしました。
大きく演技するところでなくても、
何気ないひとつひとつの仕草や所作が、
日本人離れ(笑)しているのですね・・・
最近、会社で、本国から駐在のデカイアメリカ人に遭遇すると
その腰高なスタイルや、(役職が多いので→)おっちゃんな背中を
つくづく眺めてしまいます。(たぶん目つきの怪しい日本人>自分)
そして、べっしーに重ねてしまう。いや~べっしー外人です!
(注:当然、ちっちゃいアメリカ人も居ますけどね・笑)
この日は、人形が引っかかって、スムースに出なかったようですが、
コレ、演技プラン?(じゃないですよね^^;)
前に、コゼットに服着せ、暫く経ってから
「おっと忘れてた」という風に取り出し渡していたのを見て
演技プラン、と思ったのだけれど、実は、マジ
忘れてた?(ワケないか・・・??これは演技プラン?)
目をつぶらせ、両手を出させ、その上にポンと乗せる、が
基本形なのでしょうけれど。
しかし、あれほどファンティーヌの死に際には
不器用だったバルジャンが、目をつぶらせ両手を出させ、という
妙に子供の扱いに慣れた風なのも、唐突なので、
引っかかったり、忘れてたりするプラン好きですけどね~
(だから、プラン?)
以前、原作読み始めの頃の記事にも書きましたが
コゼットに着せる黒い服が「喪服」だというのを知ってからは
ものすごく切なくなってしまった。
舞台では、単に、コゼットと仲良くなる手段のひとつに
見えていたお人形だったけど
母を失った子に与える「喪服」と「人形」をバッグに詰める
バルジャンは、どんな想いを抱いたのだろう…
ワン・デイ・モアで、見せる想いとは異なるものだろうけれど
もしかしたら、何か通底するものもあるのかもしれない。
自らの手で喪服を着せた少女をしっかりと高く抱き上げ
ベガーズとクロスするように捌けてゆく後姿が
人々から、なにかの渦から彼女を守るようで…
二人が初めて見知らぬ明日へ第一歩を踏み出していく。
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コメント
あ〜。やっぱりyayaさんの感想はステキ。
また千秋楽を最初から観てる気分になりました。
ワタシもコート捌きには萌えまくりです。
素で普段からあんなことやってたらちょっと引きますが(笑)、
舞台ではむちゃむちゃかっこいい〜。
投稿 うり子 | 2006年5月 4日 (木) 00時20分
うりちゃん、ども!
なんか、記憶が錯綜してきて、楽感想というより
レミ個人的想い入れ戯言になってきたような…^^;
うりちゃんみたいに、ポイントついた明瞭簡潔な
でも、想いの濃い(“恋”が一次変換だた!)
萌えられる文章が書ければ良いのですが。
素でも全然オッケーですよ。
あ~一枚のコートに二人でくるまりたい…(妄)
投稿 yaya | 2006年5月 5日 (金) 00時25分