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2006年5月 1日 (月)

日生劇場レ・ミゼラブル千秋楽!!(2)

4月25日(火) マチネ

ジャン・バルジャン:別所哲也
ジャベール:岡幸二郎
エポニーヌ :新妻聖子
ファンテーヌ:マルシア
コゼット:剱持たまき
マリウス:岡田浩暉
テナルディエ:駒田一
テナルディエの妻:森公美子
アンジョルラス:東山義久

前日から、心臓が痛くなるような、
なにか切実な気持ちに囚われながら迎えた千秋楽。
舞台の進行が妙に早く感じられた一日でした。

レ・ミファンのひとりが、
塩田さんの指揮早い、開幕時も、客電落ちてから
もう少し間を取って「ダダーン」に突入して欲しい、と言っていたけれど
この日は、客電落ちてから、十分なタメがあり、
それが、今日劇場にいるリピーターファンの想い入れ同様
指揮者にも、ある種の感慨があるのかな?と思わせるような
「千秋楽」という気分が、共有出来るような幕開けでした。

いつもは、紗幕の向こうに、大きな別バルの影を見つけたが最後
ず~~っと彼だけを凝視してしまうのだけど、
今日は、囚人のソロ一節一節を、しっかりと拝見拝聴。
不条理に喘ぐ様と、
このラスト一回の舞台への惜別が交じり合うような咆哮で
すでに、涙が目の淵に滲んでしまう。。。

家畜以下の扱いを受け荒み擦り切れた囚人たち。

そんな中、舞台奥から上手へ廻り、洗練された動作で
登場する岡ジャベール。姿が見える以前から、さ~っと
違う空気が流れてくるのが感じられる。
バルジャンとの対比。

出獄の希望は、すぐに、“希望”とはならないことに直面し
更に、荒廃していくバルジャン。
あまりにも人生の中で奪われたものが多かったので、
与えられること-しかも無償で-に懐疑を拭えない。
誰も彼から取り上げることはないのに、
迎え入れてくれた人々から顔を、身体を背け、
パンを貪り食う姿。

窃盗の非難を浴びるバルジャンに燭台を与え
二度彼を救い出した司教にも、まだ、心を開かず
燭台を与えたのは、彼をとりあえず守るためのフェイクで
人々が去った今、返せと言われるのではないかと
燭台を強く握り締めたまま、司教の方には直れない姿。
それに初めて気づいた時、その造形があまりにも自然だったので、
私も、民衆が去った後、「さ、それを返しなさい」と
次の科白が続くのではないかと思ったくらい。
(すでに、次の科白も知っているはずなのに・・・)

しかし、そうではない。

司教が、バルジャンを自分の方へ向かせたのは
燭台の返却を求めるためではなく、
彼の心を神の御心に取り戻すためだった。

「その燭台を使って正しい人になりなさい、
あなたの魂を私(神)が買った」
という言葉が、バルジャンの心を打ったように、
私の心のとても深いところを打った。

ここは、非常に重要な場面。次の独白が、活きるための。

22、23日も、まだ今日で終わりじゃないけど、
べっしー大丈夫?と思う程、渾身の独白だったけれど、
この楽の独白も、想いの丈が募るような深みのある造形でした。
迫力!という意味では、週末の方が感情のブレが大きかった
ような気もしますが、この日は、熱情とともに、かみ締める感があって
やっぱり観る方の感慨もひとしお…(/_;)(/_;)

そんな、すでに胸いっぱい(いっぱい)感の中、
「一日の終わりに」のメロディがドラマチック始まり
アンサンブルの迫力にも決壊。

マルシアファンティーヌと、角川くんの工場長。
楽は小鈴くんだよ~との指摘あり。スミマセン記憶が錯綜。
23日夜が角川くんでした・・・
この日生に入ってからの観劇で、角川くんが工場長も
演っていることに、やっと^^;気づき、ある日の観劇で
ファンティーヌの手紙を返した後、汚いものでも触ったかのように
手を払う仕草をしていたことが、(他の工場長もそれをやっているのか
分からなかった)結構、ツボだったのだけど、
同日観劇していた友人が、やはりそれに言及していたので、
角川オリジナル、と判明。
昨年帝劇で観たときより、頬がこけ、ちょっとだけ精悍さが加わった
ような気がするのですが、どうでしょう?
アンサンブルの人たちが、複数役代わりをする、
というのは理解していたが、あまりよく誰が誰だか分かっていなかったので
そのあたりは大雑把に(?)観ていたけれど
角川くんについては「旅人」もチェックするようになりました。

ちなみに小鈴くんについては、私がレミ地獄(いや天国)に
嵌る加担者の一人である御方が、
「小鈴くん、小鈴くん」と呪文のように唱えているので
何気に私も、彼の姿が視野に入る頻度が高まったような気がします…

前場の荒廃した姿がウソのように
端正な身なりで登場する市長バルジャン。
何故、もう少しファンティーヌの話を聞かないかな~と
慌しげに去ってしまうけれど、この去り際に工員たちに
なにか指示を与えるという所作も、
他のバルジャンはしていないのですか?
ここもマイスタンダードになっていたので、
これがフツーと思っていました。

ラブリィレディのお嬢(姐?)さんたちも、
本当に、場末の娼婦な雰囲気が上手い!!
ベタな化粧や、劣情をそそる所作が素敵です。
世界最古の商売というだけあって、世界各地の遺跡に行くと
必ず、「娼館」跡や娼館への道しるべを見学しますが、
港町近くのそれらをふっと思い出してしまうような
船員たちの明るい欲情っぷりも楽しい。

そんな、無理くりな明るさの中、
「下着は血だらけ苦しいわ」の一節を聞くと、心底、同情。
一見開き直ってお商売しているように見える彼女たちの
苦しさが、端的に伝わってくる。

ファンティーヌを買おうとする“紳士”(←固有名詞あるんでしたっけ?^^;)
ステッキを足の間に突っ込むという、ホントに唾でも吐いてやらねば
気がすまないくらい、いや~な気分にさせられる行為。
ある意味、よく考えられた演出だな、と思います。
これで、一瞬にしてファンティーヌの気分が変わるのも理解できるから。

ここでのジャベールは、まだ垣間見せる顔が、なにか凄く若くて
綺麗なのですよ。“紳士”の話も、市長の話もよく聞いているし。
馬車の暴走でも、市民を警護しなくては~と思いつつも(←たぶん)
結構、自分もかなりアタフタしているのがツボ。
3人のジャベールの中で、一番非力そうだし、
市民を守るのが勤めとの思想はあっても、
現実的には、絶対自分で馬車をなんとかしようとはしないだろうし
市長がそれを実行するのを、もっとも恐れているような印象。

岡ジャベ、いろんな場面で、心が動くのが、とても明確。
これは、中日、日生での観劇から感じ始めたこと。
帝劇、梅田で観ていたころより、
だんだん(自分が)芝居が分かるようになってきたのと
劇場が小さくなってきたからかな?

この後、ジャベールが市長を疑っているのか
あるいは、疑いは晴れているのかは、よく分からない。
裁判所のそれぞれのジャベールのどよめきっぷりから
それが、判断出きるのでしょうか?何割くらいの猜疑心だったのか。

別バルは、迷っている感が露呈するのがいい。
独白で100%悟り?を開いて、
揺ぎ無い信念と強さを獲得したバルジャンではなく
いつも、なにか鬩ぎあっているようなところが。
他バルだと、自分の強い信念からの告白!!の印象を受けるけれど
別バルは、身代わりとなった囚人への深い憐憫も見えてくる。
それが、冒頭のバルジャンを想起させて、二重の意味で
泣いてしまうんだなぁ~。(泣いてばっかり。。。)
ここから、ファンティーヌの死へ到るバルジャンには
切なさ募りまくりで、舞台面、個人的に紗幕がかかってます…

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